ミラノから車で約2時間。邸宅の並ぶ閑静な住宅街にロベルタの創始デザイナー、ジュリアーナ女史の自宅はあります。
ロベルタといえば、トロンプルイユ(だまし絵)の自由自在なデザインワークを思い出さずにはいられないイタリアを代表するブランド。今回エルトゥークではロベルタをご紹介するにあたり、この自由な想像力とパワーに満ち溢れたデザインがいったいどんな風に生まれたのか知りたくてイタリアまで取材に出かけました。
89歳という高齢にも関わらず、インタビューに快く応じてくれたジュリアーナ。日本からはるばるやってきた私たちを友人のように自宅に招いてロベルタのストーリーを聞かせて下さいました。
彼女が語るロベルタは、まるで一人の女優のドラマチックな人生のよう。最初のきっかけは戦後の物が無かった時代、自分のためにデザインから縫製まで自分で仕上げた一つのバッグでした。そしていつしか舞台衣装を依頼される等、ファッションというジャンルを超えて、ロベルタというブランドが一つのアートとして輝き始め…。
午前から始めたはずのインタビューは気づけばもう夕暮れに。古い友人に語り聞かせるような愛情あふれる語り口に、すっかり時間を忘れて聞き入ってしまいました。自分が生み出し、娘のように彼女が愛したロベルタについて、長時間に渡って聞かせていただいた貴重な取材をお届けいたします。
次のページへ>>